
お客様から、 「ぼんたんのパターンのトップに着ているしましまのはなんですか?」 と聞かれました。 「はて、ぼんたんのパターンの時にどんな服を組み合わせていたっけな?」 とすっかりと忘れ去ってしまっていたBBAのWildberry店主オガワです。 劣化が止まらない。 Keep on 劣化。 確認したら、昔々、製品として販売した「ボートネックじゃない七分袖のバスクシャツ」 でした。 「これ製品として販売したから、パターン残ってるんじゃなかったっけなあ?」 と思い事務所内を探してみましたら、まんまと出てきましたよ。 事務所内にちょうど「いつ販売したか覚えていない、カート戻しし損ねた16/2天竺がありましたので、持ち帰って洗濯しました。 で、サンプル縫製してみました。


これはぼんたんの商品ページに掲載している画像なのですが、 ちょっと着丈が短いな。 と思いましたので、今の自分的に正義な着丈(そんなもんあるんかい)に伸ばしてみました。

その時々で良いと感じるバランスっていうのは変わってくるもので、 このパターンを起こした時から7歳ほどBBAになった私は、今はこれくらいの着丈の方が ホッとするというかしっくりくるというか、そんな気がします。 このパターンをサンプル縫いしてみて 思い出しました。 そうだそうだ。私、すっごく簡単にできる、でも雰囲気のいいパターンを起こすのが好きだったんだっけ。 と。 いわゆる「削ぎ落とす」工程ですね。 パーツは3つで、工程はすごくシンプルであっという間に出来上がるので 作業に取り掛かるときのハードルが低い。 適度に余裕があって、でもスッキリ見えて、その上動きやすい。 「作ってみたら意外と簡単にできた。着てみたらなかなかよかった。嬉しい。」 そういう成功経験をお客様にたくさん体験して欲しいなあと思って Wildberryのパターンはあるのだということを 「そう言えばそうだった」と思い出しましたよ。 合わせているボトムは、昔取り扱ったタイプライターで作ったギャザースカートです。 パターンはありません。 (吾輩は猫である。名前はまだない。) ギャザースカートを作るのに、パターンは必要ないと思うのは傲慢でしょうか?(笑) 前身頃と後身頃はそれぞれ生地の全幅を使い、 丈は自分好み、私は75とか80とか、長め丈の方がバランスが良く見えるのですが、 最近は何やら骨格診断で似合うシルエットが違うとかなんとか という鎧を人々に着せることで「絶対に失敗しないコーディネートを提案します」的な有料サービスがものすごく増えているみたいですね。 でも何事もトライアル&エラーで、失敗を恐れていては上達はあり得ないと思うので、 「頑張って作ったけど似合わなかった〜!」という経験もこれまた大事というか人生の肥やしになるのではないかな?と私はんかは思うのですがね。 作ったけど似合わなかったアイテムは、メルカリに出してそれを欲している他の誰かに譲ればいいだけの話です。 おっと、話が逸れた。 ウエストはぐるりで生地の全幅を使い、 両脇にスリットポケットを付けただけです。 ギャザーを寄せるのは結構面倒くさいです。 が、やっぱり女子の憧れお姫様スタイルは基本ギャザーかフレアーなのではないかなと思いますので、 ここだけは辛抱強く頑張ることをお勧めします。 もっともっと細かくてもっともっと時間がかかる仕様を要求してくるパターンも世の中にはたくさんあることを思えば、 中学校の家庭科で習うギャザースカートなんて屁のかっぱですよね。 ギャザースカートは裾のラインがまっすぐなので、 「あ、この丈は自分にはちょっと長すぎるかな。」と思えばカットして裾始末をすればいいし、 「この丈は自分にはちょっと短かったかな。」と思えば裾始末を解いて別の生地を継ぎ足せばアクセントにもなっておしゃれドアップするし、 なので 自分以外の誰かに「あなたに似合う服、似合うコーディネートを有料で提供します。」 的な最近流行りのサブスクサービスに頼る必要もなくなるかしら?とおもいます。 ちなみに私は「人は失敗から学ぶものだ。」と思っていますので 「失敗させません。」というサービスは 顧客の学ぶチャンスを奪って、自分に依存させることによって利益を得ようとする行為のような気がしてしまいます。 今、世の中はとても景気が悪くて、 アパレル業界ではお洋服が売れなくて、 それに伴って「スタイリスト」という職業に携わる人が 仕事がなくて困っているので、収入を確保するために「パーソナルスタイリスト」というふうに業態を変えてあれこれ指南するサービスをおこないがちなのだそうです。 コロナの随分前から、スタイリストは余りがちでしたので、パーソナルスタイリストサービスはかなり前から活発だったみたいですね。 自称スタイリストでも、食べていけないのでバイトをして、 そっちの収入の方がスタイリストの収入よりも多い、という人もとても多かったです。 アパレルのお仕事だけで飯を食っている人たちは、 そういう人たちのことをちょっと馬鹿にするというか下に見るというか だから足元を見てそのスタイリストに発注する仕事は単価がずいぶん安いみたいな事象も平気で起きていました。 アパレル業界の闇的な部分のことを思い出すと、心が窮屈になって時々吐き気を催しがちです。 見栄を張りたい気持ちの方が先行している人の方が圧倒的に多いように見えてしまいます。
昨日古巣の社長から電話が来ました。 「◯ンハーマンのチーフデザイナーの◯◯さんが今困っているらしいんや。お前、手助けしたってくれ。」 的な内容でした。 「こんな内容の電話だった。」とやっさんに言いましたら 「ああ、またアパレル沼に引きずり込まれるやつ?」 とサラッと言われました。
この、2番目のリールですごく細切れですが、私が携帯で話している様子が一瞬だけ映ります。 早すぎてわかんないかも(笑)。 梱包作業をしているときです。 社長は大阪で、 ◯ンハーマンは東京なので、 必要であれば東京事務所にアテンドしてあげてほしい、ぐらいの気持ちが入っているように感じました。 あ〜これ、「東京にフリーランスのスタッフおるねん」ってもう言ってるやつだな・・・。と思いました。 社長の顔に泥を塗るのは不本意だし、だからと言って内部の人間として公表されるのも不本意だし・・・。 なんだか複雑な心境です。 あ、ちなみにリールの中で、蛍光灯から紐がぶら下がっているのは、 そこにS字フックを引っ掛けて、ウーリースピンテープをぶら下げて計るための紐です。(笑) 白っぽい生地の上に私が突っ伏しているのは、 飛び込みを見つけたので除去しているところです。(笑) 出荷作業が終わって新入荷生地の開梱が終わってから、試作したパターンの長袖バージョンのパターンを起こしましたよ。 16/2天竺をまた持ち帰ったので、 洗濯して乾いたら 今度は長袖でチュニック丈ぐらいのサンプルを作ってみようかな?と思いますよ。 時々、「この生地は水通ししなくてもいいですか?」的なご質問をいただくのですが、 防縮加工を施されているかシルケット加工を生地以外の綿生地は洗濯したらキューティクルが絡み合って縮みますので、水通しした方がいいです。 しかも、綿の場合はちゃんとしっかりと洗濯機で「お洗濯」をすることをお勧めします。 「しばらく水に浸けて脱水する」という方法が「水通しとはこの程度で良いのである」的に何やら実しやかに言われている場合もあるみたいですが、 この方法は私はウールの水通し方法だと認識しています。 水につけて脱水するだけでは綿繊維がしっかりと縮まないので、 作った後でサイズ感が変わってしまう可能性がゼロではありません。特にカットソーの場合は。 布帛の場合は タイプライターみたいな限界密度のものとか、超長綿を使用したものは洗濯してもあんまりサイズが変わらないかもしれませんが 私は「とりあえず洗っといた方が良い」と必ず言います。 逆に「この生地は水通ししなくても良いです。」と言って販売しているお店があるっていうことなのかな?(知らないけど) パターンやさんで、 「私は生地の水通しはしません。」と言っているところがあったのですが、 その同じ人が「1ミリ単位でラインにこだわってる」みたいな発言もしていたことがあって、 水通ししない生地で作ったお洋服は洗ったか1ミリどころじゃない変化が起きるのになあ・・・。 と思った記憶があります。 製品として仕上がった姿が良ければ良い(製品洗い加工はしない)という感がえ方はたくさんの大手のアパレルでも持っている場合が多いので、それが間違いだとは言いませんが、 私は道具やモノは使ってこそ価値があると思うので、 出来上がった後も末長く気に入って使い続けるためには 最初ちょっと面倒くさいかもしれませんが、 とりあえず届いた綿生地は洗濯してから保管してほしいなあと思います。 そうしたら、「あ、縫いたいな。」とか「あ、今ぬえる!」となった時にすぐに行動に取り掛かれるので。