好きなところ

私がプレゼントした腕時計です。
異性に時計をプレゼントする行為は、
「あなたの時間を束縛しますよ。」と言う意味らしいので、
よっぽど親しくなってからじゃないと重たいプレゼントなのだそうです。
ちなみに靴をプレゼントする行為は
「あなたの行動を束縛しますよ。」と言う意味らしいです。

じゃあ、お財布をプレゼントするのは
「あなたのお金を束縛しますよ。」と言う意味かな?(笑)

結婚してしまったので、
時間も行動もお金も、お互いがお互いに束縛し合う状況になってしまっているので
どうでもいいっちゃあどうでもいいですが(笑)。

お金も時間も行動も、ほぼ一緒に使っているので。

さて少し前にオットの腕時計のベルトが切れました。
オットの仕事にとって時間の管理はとても大事な事なので、
時計なしでは仕事は成り立ちません。

オットの職場ホテルの
お客様が出入りする入り口よりももう少し坂を下ったところに、従業員専用の通用門があるのですが、
そこの真ん前にセブンイレブンがあります。

そのセブンイレブンには、
ホテルマンにとっての必需品が結構しっかりと取り揃えられています。
ワイシャツとか、黒いソックスとか、腕時計とか。
ハンカチとかエチケット用品とかその他諸々。

そんなわけで、
大慌てでセブンイレブンで腕時計を買ってその場を凌いだのだそうです。
(時々洗濯したワイシャツを持っていくのを忘れて慌ててセブンで買うこともありました)

週末、高円寺の小ぶりなホームセンターに行って交換用の時計ベルトを探したのですが、
サイズの合うものが
クロコダイル風の型押しでしかも合皮でその上エナメル風のテラテラとした外見で
しかもお値段も安くておそらくすぐにペロンと剥がれてきそうな感じの佇まいで
「これはないわ。。。」とげんなりしてしまいました。

しょぼくれながらグーグル先生に
「高円寺 腕時計」と入力してみましたところ、
叶屋というお店がヒットしました。

グーグル先生の評価が満点の星5つで
ユーザーのレビューがものっすごく良かったので
「え〜そんなこともあるんだ〜。」と思い向かいました。

小綺麗な店内の奥に白髪のおじいちゃんがコーヒーを飲みながら時計のカタログを熱心にみていました。

私が入店したのに気づかないぐらいに熱心に。(笑)

私の存在に気がついておじいちゃんびっくりして
「わ!すみませんね。いらっしゃいませ!」

(笑)

「時計のベルト交換をお願いできますか?」
と言ってベルトの切れたオットの腕時計を見せました。
ベルトがね、一般的な男性用腕時計よりも少し細くて、
「男性用」としては品薄なサイズみたいでした。
これより細くなると一気に「女性用」になってしまうみたいでした。

そんなややこしいサイズ感の時計を選んだのは私なので、文句は言えませんね。

時計の盤自体は大きいのですが、
ベルトが細めで時計自体も薄めで、
オットの、色白で神経質そうな見た目と、仕事で着る黒服に似合うかな?と思ってチョイスしました。
そんなに高い時計ではないけど。

ドケチなので。(笑)

北欧のメーカーだった様に記憶しています。(間違ってたらすみません)

サイズの合うベルトを見せてもらい、
盤が黒いので黒のカーフ(仔牛)のベルトをチョイスしました。

ベルトを交換してもらっている間に、
「おかけになってお待ちくださいね。」
と言われたので、
ショーケースの前に並べられたヤコブセンみたいな椅子(本物なんじゃないかなあ?)に座って
ショーケースの中の商品を眺めながら待っていました。

「これいいなあ。」と思う腕時計があって、
しばらくそれを眺めていました。

するとおじいちゃん、
「かっこいいでしょ?」
と話しかけてくれました。
「良いですね。オットの時計、ガラスが傷ついてしまっているので、買い替えもありかなあ、と思っているんですが・・・。」
と言いましたら、
ベルト交換が済んだ時計を持ってきて
ルーペでガラスを見て、

「本当だ。傷ついていますね。結構深いですね。でもこれ、良い時計だから買い換えるの勿体無いですよ。ちょっとガラスを磨いてみましょう。」
と言ってクリーム状の何かしら(おそらくコンパウンド)で磨いてくれました。
傷が薄くなって、ガラス自体もピカピカになりました。

「良いガラスなのにこんなに深い傷が付くってことは、結構ハードなお仕事なんでしょうね。」
とにっこりして言ってくれたので、
「ホテルの宴会場とか婚礼の会場の担当なんです。」
と言いましたら、
「それでこの角度で傷がついているんですね〜。」と何やら納得しながらルーペを覗き込んでいました。

「ガラスの交換もできますので、もしまたさらに傷つくことがあったら言ってくださいね。」

と言ってくれました。

「記念の時計なんでしょうね。大事にしてあげてくださいね。」
とも言われました。



え、なんでわかるんだろう。
別に刻印とか一切してないのに。



そんなに高いものじゃないんだけどなあ・・・。
と思いながらも
値段が高いから良いもの、
値段が安かったら粗悪品、
と言う価値観はやっぱり違うものなんだろうなあ。とも思いました。

実際にオットにプレゼントした時計、
メンテナンス代が、購入した時のコストを超えています。

ベルト交換したり電池交換したりして
大事に使ってくれています。

本当にそんなに高いものではなかったのですが、
時間がずれることもほとんどないし、
筐体も薄いです。



餅は餅屋
時計は時計屋
ですね。

自分が取り扱う商品に対する愛情や興味、探究心って
本当にものすごく大事だな〜と思いました。
人生の大先輩の姿勢を見て学ばせてもらいました。

自分の店の商品を「こんなゴミみたいな。」と言って嫌な顔をするような店主がいたり、
他者に対して「ここがいけてない、あそこがいけてない」と言うことによって
相手の不安を煽って自分の利益を得る様なやり方をしている経営者もいたり
(不安定な今の世の中、この商法が意外と増えているかも・・・と思います。
みんなが漠然とした不安を抱えていますもんね。)

そんな雑多で雑音に溢れている世の中ですが、


磨いてくれたガラスを見て
「あ、光が増した。私の頭みたいにピカピカしてきたよ!」
と言ってにっこり笑ってくれた店主さんに対して
「いや、あなたの笑顔の方が眩しいよ。」
と思ってしまった私でした。

その笑顔に会いたくてまた理由をつけてお店に行ってしまいそうです・・・。
(この現象をたらしこまれたと言います)

ディープな街とかマニアックな街とかサブカルの街とか言われている高円寺ですが
このおじいちゃん店主さんみたいに、
自分の受け持ちの分野に関する愛情と探究心が深くて
他者と自身を比較して勝った負けたみたいなせめぎ合いをしない、
本当にマイペースで個性的な人がとっても多い街だな。と思います。

だから、居心地がいいんでしょうね。

沼にハマってきています。
高円寺沼。
居心地が良すぎます。この街。

投稿者: wildberryshopblog

Wildberryという生地のネットショップの店主です。

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