ハコじゃない。

すごく高いものになっちゃったなあ・・・。
と思い、どうしようかと悩みました。
原料高騰とはいえ、まさかこんなに値上がりしているなんて。

ものづくりがしにくい世の中ですね。

待ちに待ったWildberryのジャガードが出来上がってきました。
早速たくさんのご注文をありがとうございました。

頭の中で生地のイメージを練って、
ゲージと糸遣いを決めて、
色を決めて、糸量の計算をしてもらって
無駄になる糸ができるだけ少ないように生産する生地のm数を計算してもらって

で、進行して貰いました。

柄確認の編み下げが届いて、
OKを出して実際の生産をしてもらいました。

カット見本と言って、実際に編み上がって加工も済んだ生地の見本を工場から直接送ってもらうことができます。

社長に
「カット見本送るか?」
と聞かれたので、
「生地、もう出来上がってしまっているやん?」
と言いましたら
「まあ、そうやな。」と社長。

「編み下げでオッケー出してるし、どんな顔に上がってくるかは概ね想像してるし、
カット見本見て『やっぱ思ってたのと違うわ〜!やり直して!』って言っても困るやんなあ。決め打ちで送ってもらってええよ。」

と言いました。

「まあ、そうやな。」と言って社長は笑っていました。

そして生地が届いて、
実際に仕上がった生地との初のご対面をした後で
初めて
「ところで単価はどうなったんやったっけ?」
と聞きました。

「◯◯◯◯円/m。柄代別。」
と言われまして、
「思ってたよりちょっと高かった。」
と言いました。

「いくらぐらいを想定してた?」
と聞かれましたので
「◯◯◯◯円/m。80円高かった。」
と言いましたら、社長は笑っていました。
80円は、ほぼ誤差の範囲内です。

じゃあその誤差の分、負けてくれるのかな?と思っていましたら、
そのままの値段で請求書が来ました。
さすがはナニワの商売人。(笑)

そんなわけで通常よりも利益率を下げて販売単価を設定しました。
「コストいくらかかったから販売価格いくらね!自分のところの利益率は絶対に変えませんよ!」
もしくは
「いくらで販売したいから、コストはいくら以内に抑えてね!自分のところの利益率は絶対に変えませんよ!」

今って、そういう企業が大手になっていくんじゃないかなと思います。

それはそれで別にその会社のやり方で良いんですが、
私はついつい「お客さんのメリット」も考えてしまうんですよね。

「高いな〜」と思ってえいやっと頑張って買ってみたら、
思っていたよりも「あら良いわね。」って思えて嬉しくなる。
「高いお金出したけど、その甲斐があったわ。」と思ってもらえる。
私は商売にそこまで求める(強欲)ので、利益率を削ることは結構ちょいちょいします。

実際の生地を手に取っていただいたら、
画像よりも可愛いと思っていただけるんじゃないかな?と思います。
編み目がポコポコと浮き立っていて、元気な生地に仕上がっていて、
私はとても満足しています。


と、前置きが長くなってしまいました。
昨日社長から電話が来て打ち合わせや雑談をしました。
私が在籍していた頃に実際に打ち合わせでお会いしたことのある
とあるカジュアルブランドのデザイナーさんがこの度独立して自分で物作りをすることにしたとの話が雑談の時に出ました。

で、彼が最初に始めたのが、役所への申請、会社の設立、そしてブランドロゴの商標登録だった、とのことでした。

そういう申請手続きって、すごくお金がかかります。
商標登録なんて、数ヶ月とか時間がかかるんじゃなかったかな。
しかも申請を代行してくれる「なんちゃら士」っていう肩書きの先生にお願いすると
手数料も数十万単位で高いし、
確か申請のために必要な印紙代だけでも数十万はかかるんじゃなかったっけな?
とうすらぼんやりと記憶しています。
具体的な数字は忘れましたが。

「え〜もったいない。それだけのお金かけるなら、お洋服数型作れるんちゃう?」
と思わず言ってしまいました。

「体裁を整えるよりもまずは自分の力で(今までは会社の力で作っていたので)モノを作ることの方が重要ちゃうか?って自分もアドバイスしていたんやけどな。」
と社長。

「その彼は、体裁を整えんと取引先が相手してくれないと思っているらしいんや。」と。

「そうなのかねえ?私なんかはまず最初に『これがやりたい』があって、
周りから『お前アホちゃうか?体裁整えて出直してこい』と言われまくっても『馬鹿にすんな!』って思ってやり続けてきたら、次第に周りが協力してくれるようになって今があるけどねえ?」
と言いましたら
「いやその通りやと思うで。それが本質や。」
と社長。

「『体裁を整えました!さあ一緒に仕事してください!』と言っても
言われた側は『はあ、そうですか。頑張ってください。』とスルーしてしまう。
仕事というのは結局人と人やから、どれだけたくさんの人に応援したいと思ってもらうことができるかでうまくいくんもいかんも変わってくるもんや。」
と社長。

「お金や見栄やプライドを見るのか、それとも自分が『物作りしたい』と思う情熱を見るのか、で仕事のやり方って全然変わってくるしねえ。」
と私。

「そうや。どっかの生地通販のあほ店主みたいに『これ作りたいんや!作ってくれへんかったら暴れるで!』みたいな気迫で来られたら、ドン引きしながらもみんななんとかして協力してくれると思うんやけどな。」
と社長。

「なんやそれ私のことかいな。」
と私。

はこ(経営する体裁)を整えたらイメージが良くなり信用が得られやすいと思うのは現代社会の通念ですが、
そのために必要なお金は結構多くて、
今なんかは資本金1円でも株式会社が作れます。

なので、
「株式会社です!」と言っても「そうですか!では安心ですね!お取引オッケーですよ!」ということにはなりにくいです。

大手商社とお取引したいのならば、過去3期分の決算書の提出を求められたりしますので、
結局大事なのは「カタチ」「体裁」を整えることではなく、「どんな業績を上げているのか」の「中身」なんですよね。

「箱」を作っただけとか「過去のステイタス」だけで信用される時代はもう終わったんですね。

「そういえば私も株式会社化したいって思ってたときに、誰かさん(社長)に『そんなことしたってなんのメリットもない。やめろ。』と言われたなあ。」
と言いましたら
「そうやろ。体裁を整えても意味がないってようやくお前もわかったか。」
と言われましたよ。
今ならわかりますが、当時は「なんで妨害すんねん!」と思って社長を憎んでいましたよ。
(でも言うことを聞いていた。)

同時期ぐらいに開業した同業のネット生地屋さんがどんどん株式会社化していくのをみて、
「良いなあ、私も株式会社にしたいなあ。」と思っていた時期があったんです。

「Wildberryさんぐらいの事業規模で個人事業主ってまずないですよ。もっと年商が少なくても株式会社化しているところなんていくらでもあるのに。」
と言われることも多々ありました。

「株式会社じゃないと直接お取り引きは致しません。うちの生地が買いたいならどっかのブローカーを経由してください。」
と言ってくる生地商社もありました。

まあ、世知辛いです。繊維業界もアパレル業界も。

でも
株式会社化しないと生き残れないというわけではありません。
生き延びる方法はいくらだってある。
てか、生き延びれない株式会社もものすごくたくさんあります。

「芸は身を助く」と言う言葉があります。
その人の本質にある「面白いところ」とか「個性」とかが困ったときに自分自身を助けてくれることがあるとは私も経験上知っています。

それに比べて「ステイタス」は自分を助けてくれません。
威張ったり他者に対してマウントを取ったりするのには役立ちますが。

でもそれって
なんとなくいっときの「勝ったような気分」でしかなく、
実際にその後の自分の安全や安泰を保障するモノでは決してありません。
と私は思います。

実際に自分自身を守るものって、
自分自身の「人間力」であり、
どこの企業に属しているか、もしくはいたか、
どんなお家やどんな学校の出身か、
どんなコミュニティに所属しているか、
どんなことを学んできたか
などなどよりも、
「どのように前向きに生きるか」
「有事の時にどう対処するか」
「問題が起きた時にその解決のためにどう動くか」
そして
「周囲の人たちに思いやりを持って接することができるか」
などの咄嗟の判断力なのではないかしら?
と私は思っています。

明日は古巣の社長と、直売サイトの運営について打ち合わせをしに行きます。
社長が東京事務所に来ているので。

最初は高円寺の私の事務所に来てくれる予定だったのですが
「ポール(◯ミス)が火曜日の打ち合わせを水曜日と間違えていたみたいなんや。
悪いけど東京事務所に来てくれへんか?12時に。」と言ってきました。

「高円寺に来てくれるって言ってたのに、人形町まで行かなあかんの面倒臭いなあ。でも必要なことだからから行くわ。10時半からポールとの打ち合わせやったら、12時に行ったら被るかもしれへんし、悪いからもう少し遅めに行こうか?」
と言いましたら
「今回打ち合わせに来るのポールの◯◯さん(今は生産部門の部長さんに昇進されているみたいです)でお前も知ってる人やから被っても大丈夫やで。」(社長)
「ああ、◯◯さん、久々やなあ。会いたいからじゃあ10時半に行くわ(笑)」(私)
「ええで(笑)」(社長)

打ち合わせの邪魔する気はないので、10時半には行きませんがね。(笑)

「ネットショップの打ち合わせ終わったら、都合があえばミチコさん(コシノ)と東京で会おうって言ってるんやけどお前も連れて行こうかなと思ってるんやけど。」(社長)

「いやそんなすごい人と会うたら私失神したり失禁したりするかもしれんで。」(私)

「ミチコさんも歯に絹きせん物言いする人やから、お前に会うたら『いっや〜気の強い子やねえ!』って言われるんちゃう?(笑)」(社長)

「気い強い言われるの慣れてるから大丈夫やで。(笑)」(私)



社長はとっても忙しい人なので、
まあ、そんな「予定」もいつも流動的で「約束」も絵に描いた餅なので
実際にその打ち合わせや会食が実現するかどうかわかりませんがね。

とりあえずオットには、
「せっかくのお休みだけど、明日の私の用事は1日仕事になりそうだわ。」とだけ伝えました。

投稿者: wildberryshopblog

Wildberryという生地のネットショップの店主です。

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