鵜匠と鵜

このニット、とってもたくさん「欲しい!」とのご意見をいただきました。
古巣の社長に画像を見せましたら「送って」と言われました。

「資料として送ったら2度と手元に戻ってこないような気がする。」
と言いましたら、
「多分、そうやろうなあ。」
と言われました。(笑)
やっぱり。
「奇跡的な出会いをして気に入って連れて帰ったのに、一度も袖を通すことなくもう2度と会えなくなるのは嫌だ!」と言って、とりあえず着てみましたよ(笑)。

来週は古巣の社長は別の用事で1週間ほど不在になるので、
再来週にでもサンプルとして送ってみようかな?と思います。

「気にいるもんがあったら買って送って。」
と社長に言われてしまいました。

ああ、
社長と私の関係性は、
そういえば元々「鵜匠と鵜」でした。

私はどうも嗅覚がいいみたいで、
昔々から、「こんなの作りたい!」と発注して生産してもらった生地が
他のアパレルのデザイナーさんの目に止まって
採用になって量産につながったことが何度もあるみたいです。
一緒に仕事をするようになってからも、工場の片隅に放り出されていた端切れを私が気に入って「これもらって帰っていいですか?」って言った生地が◯ーるスミスで採用されて別素材別配色で採用されて量産されたり。

昔はブローカーさんを介していましたので
直接のやりとりはありませんでした。

社長はブローカーさんに「この人すごくセンスがいいね。紹介してよ。」
とお願いしていたらしいのですが
ブローカーさんがそれを頑なに断っていたのだそうです。

Wildberryにすごく興味を持った社長は暴挙に出て
「染工場のものです!生地の配達で〜す!」と言って自ら直接生地を届けてくれた事がありました。

「普段は運送会社さんが生地を配達してくれるのに、
今日は工場から直接届けてくれた?しかも随分と派手な服装をした人だなあ?
しかもランドクルーザーなんていう染工場らしからぬ車に生地を積んできたぞ?」
と、違和感満載でしたが、
「ま、いいか。」と思ってスルーしてしまいました。(笑)

当時の社長は
私のことを「この人は生地に関してセンスがいいぞ。」と思っていたのだそうです。

実際に私が「こんなのやりたい!」と言う生地は、かなり社長の頭を悩ませる案件が多かったみたいで
間に入っているブローカーさんに
「この人素材とか生地のことよくわかってるねえ。一度会ってみたいな。」と
とても頻繁に言っていたのだそうです。

縄編みシャーリングジャガードがバズって
ものっすごい数の受注をいただいたときに
「たくさん注文をもらったお礼に接待したい。」と社長が言って
「それならば。」とブローカーさんがOKして
船場に呼ばれました。
船場センタービルでご飯とお酒をご馳走になりました。

社長とはその時以来の付き合いです。

そう。
Wildberryがネットの生地屋で一番最初に出して
それを模倣するお店がすごく増えた
縄編みシャーリングジャガードは
古巣の社長が作ってくれた生地だったんです。

私は生地の質感、ぽってり感にこだわったので太番手の糸を使ってもらっていたのですが、
今一般的な生地屋さんで出回っているものは
「単価を下げるために」細い番手の糸を使用して、ちょっと貧弱な生地になってしまっています。

それを標準だ、と思った人が
よそで買ったものとWildberryの縄編みシャーリングジャガードを同じものだと勘違いしたみたいで
生地の厚みとぽってり感からくるポコポコを
「これは難だ。販売するに値しない生地だ。金返せ。なんなら生産にかかった費用も保証しろ」とものすごい剣幕で言ってきた事がありました。

「いやこれはうちが最初から作っていてこれをよしとしているので難ではありません。何よりも今までと違う店で購入した生地を確認もせずにそのまま工場に入れて出来上がってから難癖つけるのはいかがなものでしょう?裁断屋さん、「今までの生地と違うけどこれで進行して大丈夫?」って一言連絡なかったんですか?
だとしたら
まず生地の確認をしなかったあなたと、
違う生地だと気づかなかった裁断屋さんと
そして縫ってしまってから「これはダメだね。」と言った縫製屋さん
全てに責任があります。
ウチはずっとこれで販売しているので、これを難だとは思いませんし、
逆に言いがかりをつけてこられたように感じます。」
と突っぱねました。

「裁断屋さんもベテランだし、縫製屋さんもベテランだし、信用していました。」
と言われたのですが
カウンターが違う生地を使って生産した製品が
以前と違う感じに仕上がったってそれは仕方がないことで
それを販売した店のせいにされても困ります。

生地を手配したのはあなたでしょ?
独自の糸遣いで生地を生産したWildberryの責任ではありません。
逆に単価を安くするために貧相なカウンターで生産されたものをオリジナルだと思われて
なんだか非常に残念です。

と言う気持ちでした。

そんな事があって、私自身がとってもがっかりしたので、
Wildberryで縄編みシャーリングジャガードを生産販売するのをやめました。

「これは儲かるぞ」となったら、
それに似た「廉価版」を作って金儲けする業者がたくさんいます。

実際に、「あんたのところの縄編みシャーリングジャガードをうちで生産してストックしてあげるよ。君はうちから買えばいい。」なんて言って来た会社もありました。
「生地を作ってくれている会社を紹介するから、ご自身でハンドリングなさってください。よその生地屋さんに販売してもらっても構いませんよ。」
と言って、私は乗りませんでした。

Wildberryがこだわっていたカウンター(糸遣いや質感)でWildberryが販売していた単価にすることが非常に困難で、(利益率低かったから)
結局その会社も、細い糸を使って生地を貧相にして販売単価を下げていました。

お金の匂いがするところには
それにあやかって自分もいい思いをしようと近づいてくる会社や人がとっても多いです。

それがほとほと嫌になってしまったのでWildberryは規模縮小しました。


Wildberry、オリジナル生地に関しては利益率低いので
同じ販売価格だったら、他所よりも確実に品質が良かったはずです。

ちなみにWildberryオリジナルボーダーも古巣の社長が作ってくれたものです。

Wildberryビンテージ風天竺も。
ブラックウォッチキルトニットも。
ノルディック風ジャガードも。
吊裏毛も。
先見の明じゃないけど、
「今流行っているもの」を追っかけたり
「儲かってそうなもの」を追っかけたりする人が世の中には多いと思います。

「もっと売れる生地を仕入れなくては・・・。」
と言っていた生地屋店主がいました。

「これから生地屋を始めるので、いい生地を扱っている業者を紹介してください。」
と言っていた人がいました。

なんなら
「娘のバレエの発表会で大阪に行くから、その時に仕入れ先紹介してよ。」
と言ってきた人がいました。

生地のこと、糸のことをちゃんと愛して知ろうとしていないと
「売れる生地=良い生地」と言う判断基準になるんでしょうかね。

どんなに良い生地に出会っても、
その生地の価値に気付いてあげることができなかったら
結局「地味で見栄えしない上に売れない商品」となってしまって
「こんな、売れもしない、ゴミみたいな商品。」なんていう言葉を
それを仕入れた店主自身が発してしまうような事態になってしまうんでしょうかね。
(実際に耳にして顎が外れるかと思いました。
自分がゴミと思っている商品に、わざわざお金を出して買ってくれているお客さんはゴミ以下ってことでしょうか。商売なめんなよ。)

良い生地=売れる生地
だとは私は思っていません。
良い生地はいい生地で、売れる生地とは全く別のジャンルだと思っています。

ちなみに古巣の社長は
ブランドのロゴが明確に出ている生地は絶対によそに出しません。

有名ブランドから発注を受けて生産したけど・・・。と言う生地は
5年ぐらい経たないと放出しません。
それでもノバチェックみたいな、明確にわかりやすい生地は出しません。

完全な無地の生地は別ですが。

ブランドロゴが明確にわかる生地がどうも中古生地屋業界で出回っているみたいですが
「そのブランドを知らなかった」から仕入れてしまったと言うこともありますが
そうじゃない場合、人目を引く為とかにブランドロゴがばっちり入ったものを取り扱うのは業界的にはNGで
そう言う行為は、意識が低いとみなされてしまいます。

時々、ファミリーセールという形で
オリジナルのロゴが入った生地をブランドが直接お客さんに販売するということはありますが。

ただ、
「参考にさせてもらった」ということはOKみたいです。

う〜ん。
グレーゾーンが多いというか、
難しいですね。(笑)

新しいものを作り続けて売り続けているヨーロッパの超ハイブランドのコレクションに
何やら意義を申し立てる人が乱入して
ショーが騒然としてしまったなんていうニュースを最近見ました。

世の中ではモノに溢れていて
モノが余っていて
それでも生産し続ける人たちに対して意義を申し立てたかったんでしょうね。
その乱入した人は。

関東圏で昨晩大きめの地震が起きました。
断水したり停電してしまった地域もあるみたいです。

東京や関東圏には山がある地域が少ないので、
大規模な土砂災害が起きる心配はそんなに大きくないですが
首都直下型大地震が来るのかしら?
と
戦々恐々としていますよ。

見栄やプライドのために色々頑張る時代はもう終わっちゃったかも?
と感じました。

地球温暖化のおかげで異常気象が起きて
そのおかげで農作物の不作が続き
ウニやシャケは次々と死んで
私たちが生きていくために必要な食物の価格が高騰しそうな予感です。
っていうかきっと高騰します。

北朝鮮ではハイパーインフレが起きる兆候が見られているみたいですね。
多分このコロナ禍で世界中が不景気になってしまっているので、
世界中で貨幣価値が下がってしまうでしょうね。

北朝鮮を皮切りに。

生き残るためには
何が必要かな?
(命根性汚いな。だって死ぬの怖いし、死ぬほど苦しむのも怖いもん)

物々しい時代に突入してしまったような気がしてなりません。

投稿者: wildberryshopblog

Wildberryという生地のネットショップの店主です。

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